広島野村祐輔投手(30)が26日、マツダスタジアムで会見し、今季取得した国内FA権を行使せずに残留することを発表した。球団側と3度の交渉をもち、熟考を重ねてきた。FA宣言すれば他球団が獲得に動く可能性が高かったが、カープ愛を貫いた。

残留を決めた理由はいくつもある。広陵時代からの汗と涙がしみこんでいる広島の地を愛していた。ファンの熱烈な後押しにも、勇気づけられてきた。苦楽をともにしてきたチームとチームメートも好きだった。そして何より、佐々岡新監督のラブコールが大きかった。監督就任受諾翌日に「いっしょにやろう」と電話があった。自らの野球人生についてじっくり考え、やはり広島しかないと決断した。

明大から11年ドラフト1位で広島に入団し、1年目から先発ローテーションで活躍した。16年には16勝、勝率8割4分2厘で最多勝利、最高勝率の2冠を獲得。今季は6勝にとどまったが、9年目の来季も先発ローテーションを守る。佐々岡カープは、貴重な戦力流出の危機を脱した。