コイの背番号「18」が5年ぶりに復活する。広島が21日、新人選手を含む来季の背番号を発表し、ドラフト1位の明大・森下暢仁投手(22)は背番号18に決まった。

18は佐々岡真司監督(52)や前田健太投手(31=ドジャース)らが背負ったエースナンバーで、前田のメジャー挑戦後、4年間空き番になっていた。佐々岡監督自ら18を森下に託し、期待の大きさを示した。

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与えた背番号に、期待の大きさが表れている。今秋のドラフト1位、明大森下に「18」を託すことを決めた。広島でも背番号18は、エースナンバー。“小さな大エース”の異名を取った197勝右腕の長谷川良平や、“100勝100セーブ”の佐々岡現監督、そして今や“世界のマエケン”となった前田が背負ってきた。前田がポスティング制度で米大リーグへ移籍した16年以降、空き番号となっていた「18」が5年ぶりに戻ってくる。

佐々岡監督 今の選手は分からないかもしれないけど、僕の時代はエースナンバーと言われていた。そういう気持ちでやってほしい。だけど、プレッシャーは感じないでやってほしい。

緒方前監督も就任初のドラフトで1位指名した野間に自身の入団時の37番、野村元監督は就任4年目に現役時代の7番を堂林に託した。新指揮官はドラフト指名後、すぐ明大へ指名あいさつに出向き、意思を固めていた。「(監督として)初めてのドラフトで、自分がつけていた背番号がちょうど空いていた。ドラフト1位で取れたので、自分の背番号をつけてほしいと思った。18番が似合う選手になってほしい」。鈴木球団本部長も「ローテで新人王を挙げるような成績を期待したい。佐々岡監督が入った時につけていた。そういう働きをしてくれればという期待の表れ」と託した。

背負う重みは森下本人も分かっている。仮契約時に内定していた背番号18について振られ「重みしかない。それだけのことをやらないといけない」と覚悟を決めたように話していた。18番の先代の姿は「好きというか理想」。思い描いて、高校、大学、そして大学日本代表でもエースを担ってきた。扉を開いたプロの世界でも導かれるように、眼前にはエース道が待っている。迷わず、前に進んでいくしかない。【前原淳】

〇…新人全選手の背番号が発表された。ドラフト2位の法大・宇草孔基外野手(22)は今季まで赤松が付けていた38を引き継ぐ。鈴木球団本部長は「(赤松との)イメージが合った」と俊足外野手として期待する。3位以下の選手は鈴木寛が52、韮沢54、石原貴62、玉村65。育成指名選手は持丸123、木下124、畝120にそれぞれ決まった。