覇権奪回へ、目指すは五輪ジャックだ。日本ハム栗山英樹監督(58)が22日、巻き返しを期す来季へ大いなる野望を明かした。札幌市内のホテルで球団納会に出席した指揮官は「(日本ハムから)コンちゃん(近藤)1人じゃ寂しいよな」と侍ジャパンが10年ぶりに世界一に輝いたプレミア12を振り返り、来年の東京五輪へ向けて「半分くらいファイターズの選手で五輪。行くよ」とぶち上げた。

今季5位からの巻き返しへ、夢を現実に変える強い心は不可欠だ。「オールスターに全員選ばれてほしいと、よく言うじゃん。それと一緒だよね」。個々の選手が大舞台に選ばれるような成績を残せば、自然とチームも強くなるはず。チームは2年連続で夏場に失速し、優勝できなかった。現状打破へ、自主トレ期間を迎えた選手個々のレベルアップも欠かせない。高い自覚と目標設定を促す、強烈なメッセージでもある。

宮西、中田、西川、有原ら日の丸を背負えるポテンシャルを持つ選手も多い。この日、札幌市内の室内練習場で自主トレした大田も、その1人。中田から4番奪取を目標に掲げる中で「高い意識を持って『自分はこうなりたい』というのを描きながらやりたい」と話した。伝え聞いた栗山監督も「自分で野心を持って、前へ向かうのはすごく重要なこと」とうなずいた。

長期のペナントレースと短期決戦の違いはあるが、栗山監督は侍ジャパンの戦いぶりを見て「やっぱり本当に勝ちきることとか、魂を込めて野球を一生懸命やる姿とかは、いいもの。やっぱり勝ちきらないといけないと思った」と胸に刻んだ。「捲土(けんど)重来。男は黙って結果を出す」。できるか、できないか、ではない。やるか、やらないか。同じ失敗は繰り返してはいけない。強い心を持てば、野望も現実に変わる。【木下大輔】