守護神として、今季自己最多25セーブを記録した日本ハム秋吉亮投手(30)が28日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、3200万円増の1億円でサインした。ヤクルト時代の16年オフに入団4年目で大台突破も、故障に泣いた翌17年に1億円を割った。3年ぶりの大台復帰に「自分でも、びっくりの金額だった」と、笑顔での一発更改となった。

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30歳の守護神は、静かに喜びをかみしめた。日本ハム秋吉は「(来季年俸は)1億円です。また、戻ったのはうれしいですね」。一流選手の証しとされる大台へ、3年ぶりの“復帰”。かつて、侍ジャパンとしてワールド・ベースボール・クラシック(WBC)にも出場した右腕は、故障や不調に苦しみながら、新天地で鮮やかによみがえった。

昨年オフ、ヤクルトからトレードで移籍。セットアッパーとして期待されたが、ストッパー候補の若手や助っ人の不振で抑えとしての出番が増えると、安定した投球で首脳陣の信頼をつかんだ。53試合に出場し、プロ6年目で自己最多の25セーブを記録。新守護神の地位を築いたが「僕は中継ぎ、抑え、どっちでもいい」と献身的だ。

ヤクルト時代の16年オフ、プロ4年目で大台を突破した。「ヤクルトの時は次の年がダメで(年俸が)落ちていったので、そうならないようにしたい」。故障知らずの右腕が、17年6月の阪神戦で負傷して長期離脱。今年も6月の阪神戦で右足を肉離れし、約1カ月、戦列を離れた。「どっちも甲子園で、打者は原口でした」という、奇跡のような偶然に苦笑いだ。

来季は、公式戦で甲子園の試合がない。今季以上の活躍を見せる、大チャンスだ。「ここで満足しないで、それ以上の成績を残さないと」。ヤクルト時代に中継ぎで、日本ハムでは守護神として“一流”と認められた変則右腕は、貪欲に突き進む。【中島宙恵】(金額は推定)