持丸“先生”熱弁50分! 広島育成1位の旭川大高主将・持丸泰輝捕手(3年)が1日、北海道高野連旭川地区の中高連携推進事業として、旭川市内で同地区内の野球部主将、指導者、上川・留萌管内の中学の主将、指導者計70人を前に、講演を行った。甲子園での経験や主将としての苦闘や悩み、心がけてきたことなどを、予定の40分を10分オーバーし熱く、話した。

会の進行が早く、予定より5分早く始まったが、動じず壇上に上がった。高校1年から3年夏までの流れを、6章計33項目に分け、経験談をまじえながら「内容や流れはほとんどアドリブ」で話し続けた。50分間、一度もかまずに締め、球児の質疑応答にも、落ち着いて対応。「こんなに多くの人の前で話すの初めて。緊張してまとまらなくなってしまいました」と反省も、会場からは盛大な拍手が起こった。

失敗や苦闘まで、高校3年間の「ありのままの持丸」を吐露した。2年夏の甲子園での失敗談にも言及。佐久長聖との1回戦、1点リードの8回2死一、二塁で左翼への飛球を落とし逆転を許した。「あれがなければ勝っていた。常に1球への厳しさを忘れないでほしい」。主将としては「特にオフの間、すれ違う度に誰にでも声をかけ、意思疎通することで、絆が深まる。仲の良い選手だけで話していてはダメ」と、リーダーとしての責務を説いた。

新天地での試練を前に貴重な“予行演習”にもなった。広島の入団発表が控える。「今度はもっと多くの人の前で話さないといけない。いい経験になった」。言葉でもプレーでも、熱い思いを伝えられる選手を目指す。【永野高輔】

○…道高野連旭川地区が実施する球児の講演は、今回が2回目。ドラフト指名を受けた選手が講演するのは、初めてだった。講演後は参加主将と持丸によるリーダー研修会も実施。佐藤俊行事務局長(40)は「指導者、選手ともに反応が良く、来年以降も続けるか検討したい」と話した。