打撃開眼へ、新たな挑戦に踏み切った。日本ハム横尾俊健内野手(26)が17日、年明けの自主トレで、球界を代表する右打者への“入塾”を決断した。来年1月9日から約1週間ほど、大分県内で、セ・パ両リーグで首位打者を獲得したことがあるソフトバンク内川聖一内野手(37)の合同自主トレに参加予定。「右では最強でしょ」と、あがめる元侍戦士のもとで武者修行を積む。

   ◇   ◇   ◇

“内川塾”入門で、来季はおにぎり量産を狙う。“おにぎり君”こと日本ハム横尾は、年明けに臨む新たな試みに胸を躍らせている。共通の知人を介して実現へとこぎつけた、ソフトバンク内川との合同自主トレ。「右(打者)では最強でしょ。調子が悪くても1本打つし、7年も連続で3割を打っている。穴がない。練習を生で見られるだけで価値がある。覚悟を決めて行きます」。尊敬するベテランの打撃理論を、全力で吸収するつもりだ。

今季は、わずか3本塁打で打率1割8分8厘と伸び悩む。大卒5年目の来季へ向け、大きな変化を求めた。これまでは、千葉・鎌ケ谷の2軍施設で自主トレを行っていたが「環境を変えたかった」。もともと、チーム屈指の理論派。ヒットメーカー近藤が「打撃理論に一番詳しいのはヨコ(横尾)」と認めるほど、研究熱心だ。他球団の実力者は、どんな考えで、どんな練習をしているのか。ずっと興味があった。

内川と言えば、セ・パ両リーグで首位打者を獲得するなど、プロ19年で通算打率は3割超。08年には右打者として史上最高の3割7分8厘を記録したほか、ワールド・ベースボール・クラシックにも3度出場している。過去には日本の4番に成長した広島鈴木や、伸び盛りのソフトバンク上林ら“内川塾”を経てブレークした選手も多い。「野球だけでなく、人生にとってもプラスにしたい。時間を大切に、ノウハウを学べたら」。来季こそ、おにぎりを握る本塁打パフォーマンスで、札幌ドームを沸かせてみせる。【中島宙恵】