俺に火消しは不要だ!! オリックス榊原翼投手(21)が今季の「QS王」を視界にとらえた。5日は大阪市内で催された「令和2年大阪市消防出初式」に参加。マウンドではサイレンも一斉放水の“消火”も無縁でいくつもりだ。

「規定投球回が今年の目標。絶対に達成したい。去年の前半、自分のなかでも良かった方。ケガなければ規定投球回も見えてくる」

昨季は開幕ローテーションに入り、4月17日の日本ハム戦でプロ初勝利を挙げた。夏場に右肩痛で離脱したが、シーズン3勝をマーク。自己最多の79回1/3を投げた。特筆すべきはQS(クオリティースタート、6回自責3以内)率の高さだ。13先発で10度のQSを誇り、QS率は76・9%。規定回数に満たないがチームでは昨季、最優秀防御率で戴冠した山本のリーグトップ80%に次いで2位だ。

頂点もちらつく安定感だが「由伸がいる」と謙遜する。それでも「先発である以上、中継ぎ陣に負担をかけないのが一番。最低でも5回を投げきる。6回でQSの自責3以内は先発投手の理想。QSは大事なモノです」と自覚十分。フル回転できれば「QSキング」の称号も射程圏内に入る。

年明けは千葉の実家に帰省し、銚子市の満願寺を初詣。「本当に規定投球回を祈っていました」と明かした。脳梗塞で闘病してきた父和夫さんに奮闘のウイニングボールも手渡したという。「喜んでいました」。昨季の思い出を分かち、勝負の4年目へ。明日7日から始まる広島自主トレで地歩を固める。【酒井俊作】