4年ぶりの日本一奪回を目指す日本ハム栗山英樹監督(58)にとって、吉兆の沖縄入りとなった。1月31日、羽田空港から搭乗した全日空機で懐かしい映像が放映されていた。「本を読みながら、ちょっと見ていたよ」。指揮官が思わず見入ったのは16年6月12日阪神戦(札幌ドーム)。今はエンゼルスへ旅立った大谷がDH解除のリアル二刀流で臨んだ試合だった。

偶然が重なり、日本一に輝いたシーズンの1シーンを目にした。「あれは、いつもやっているの?」と指揮官が驚いたのも無理はない。Wi-Fiサービスのある全日空機ではCS放送「GAORA」が視聴できるが、機内に設置されているモニターで見られるかはタイミング次第。しかも、この日は搭乗した時間帯にGAORAで大谷登板試合が放送されていた。栗山監督にとっても「翔平が投手として前に進んだと感じられた試合」と思い出深い試合。全ての条件がそろったことで、奇跡の“大谷パワー注入”となった。

那覇空港へ降り立つと歓迎セレモニーでは、りりしいあいさつを披露。名護に到着すると恒例の塩まきで選手が故障しないように新球場を清めた。「しっかりやっていきます」。最高の景気づけをした栗山監督が、いよいよ勝負をかける就任9年目に臨む。【木下大輔】