広島西川龍馬内野手(25)が16日、2試合連続となる推定飛距離140メートルの特大の1発を放った。中日との練習試合(北谷)で3番左翼でスタメン出場。15日阪神との練習試合に続く豪快な1発で「3番」の座をまた近づけた。西川の号砲を皮切りに、5発を含む23安打13得点の大勝を飾った。これで佐々岡体制の対外試合3連勝。新生カープ打線がノリノリだ。

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完璧に弾かれた打球は何千粒もの雨を切り裂き、右翼スタンドのネット上段に突き刺さった。初回2死からの2球目、中日山本の138キロ直球を西川が一振りで仕留めた。推定飛距離140メートルの特大弾。西川は「2死だったので、なんとかヒットで出られたらと思っていた。真っすぐをしっかり1スイングで仕留められたのは良かったと思います」と喜んだ。

昨季は外野手としてレギュラーに定着し、これまで自己最多だった18年の6本塁打を大きく上回る16本塁打を記録。さらなるパワーアップを遂げるべく、日本ハム近藤らと鹿児島・徳之島で自主トレを敢行。近藤の母の手料理による徹底された栄養管理のおかげもあり、昨年から5キロ増の78キロまで増量に成功した。「体重が増えて、ちょっとは打球が強くなったと思います」と手応えを口にした。

朝山打撃コーチも西川の1発に「完璧だった。体が大きくなった分、もともと高いミート力がある中に、力が加わった感じ」と評価。西川自身が今季20本塁打を目標に掲げただけに「それくらいは打ってくれるでしょう」と期待をさらに膨らませた。

一切の慢心はない。「結果を出さないと。周りの外野手も結果が出ているので、自分も『負けんぞ』という気持ち。まだ対外試合2試合目でお試し期間なので」と2戦連発にも満足することはない。「しっかり打つ方でアピールして、開幕1軍でレギュラーとして出られるように頑張りたい」。首脳陣から期待されている3番の定位置をつかみ取る。【古財稜明】