ロッテが、本来開幕シリーズだったソフトバンク3連戦に全敗した。2月末の練習試合を含めると5戦5敗。昨シーズンは17勝8敗と日本一軍団を圧倒しただけに、星取だけを見れば開幕前とはいえ不安が残る。

打線がなかなか開花しない。第1戦、第3戦とレアードが第2打席に放った本塁打が、ともにチーム初安打だった。河野打撃コーチは「相手というより、こっちの問題だと思います」と受け止める。荻野と井上がコンディション不良で戦列を離れ、フルメンバーがそろわない。

主軸を期待される中村奨は、特打などを経て不調を脱してきたものの、この3連戦でも4番、3番、6番と打順は定まらず。24日からの本拠地9連戦のうちには、フルメンバーがそろう見込み。そこからようやく、本番での「流れ」「つながり」をイメージした打順構築の段階になる。

3連敗はもちろん、ペナントレースの成績には直結しない。ただ「それでも、勝つに越したことはないですから」と捕手田村の表情に余裕はない。福岡3連戦では試合前円陣で「勝ち癖」というフレーズが出た。田村は「去年は、ソフトバンク相手に試合終盤までしっかり粘れたのが良かった」と言う。練習試合とはいえ、その粘りが求められる時期に来ている。

糧にするしかない。バレンティンには、4球連続でスライダーを選択し、しっかり打席での反応を確かめた。西野とのバッテリーの配球には、随所に意図を感じた。「得たものは多いです。ただ単に負けたわけじゃないですから」。田村の強い言葉がチームの総意。シーズンでやり返す。【金子真仁】