球界最年長の阪神福留孝介外野手(43)が26日、開幕への覚悟を語った。前日25日に延期していたセ・パ両リーグの開幕が6月19日に決定。国内スポーツの先陣を切る形で幕開けするプロ野球の当事者として、熱い思いを明かした。

また、120試合という異例のシーズンを見据えて開幕ダッシュの重要性を説いた。

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プロ野球選手としての責任感がにじみ出た。約3カ月遅れとなるシーズン開幕。日米通算22年目を迎えた福留は、広報を通じて取材に応じ、経験のない異例のシーズンに向けて「覚悟」の2文字を口にした。

「この状況の中で、開幕して野球ができるっていうことは素直にうれしいと思う。他のプロスポーツなどがいろいろある中で、プロ野球が先陣を切って開幕するということになれば、しっかりした覚悟というか、意識をもってやっていかなければいけない」

日本中に猛威を振るった新型コロナウイルスが、完全に終息したとは言えない状況だ。前日25日に緊急事態宣言の全面解除されたが、今後も感染拡大防止のためには細心の注意が必要となる。そんな状況で正式決定した6・19開幕。スポーツ界の先陣を切るプロ野球には、グラウンド内外で高い意識が求められると語った。

すでに戦い方のイメージを巡らせる。異例の120試合制。交流戦も球宴もなく11月21日の日本シリーズ開幕まで例年に比べてタイトな日程が組まれる。「まずはどれだけスタートで勢いをつけられるかが大切」。焦りすぎのケガは禁物としながら、やはり開幕ダッシュがポイントと説く。

開幕カードは、セは当初予定から開催地を首都圏に変更する案が最有力。敵地の巨人戦が予想される。場所は昨季打率4割4分2厘、3本塁打と好相性の東京ドームだ。しかも開幕戦は阪神入団後の13年から7試合で30打数10安打、打率3割3分3厘、2本塁打、6打点と大得意。開幕ダッシュのキーマンになり得る。

この日は甲子園球場で行われたシート打撃に参加。能見から中前打を放つと、2打席目では四球で出塁。アウトにはなったが、果敢にも盗塁を試みた。「自分のできることをしっかりと現状はできていると思います。(盗塁は)自分の中での確認作業。故障があるわけでもないので」。開幕へ準備着々。球界最年長のベテランが、日本中に光を照らす存在になる。【桝井聡】