阪神上本博紀内野手が今季初の2番起用に応えた。

不振の二塁糸原に代わり、今季3試合目の先発出場。3点を追う3回無死一塁で中日先発の新人岡野を捉えた。カウント1-1からの3球目、真ん中高め144キロを引っ張って左翼へ二塁打。一塁走者の近本が好走塁で生還し、反攻の適時打となった。

「点差があったので、後ろにつなぐ意識で打ちにいった結果がタイムリーとなって良かったです」。今季初安打が初適時打。初回の第1打席では、頭部付近を通過するブラッシュボールを受けていた。それでも果敢に踏み込み、一振りで仕留めた。

直後の走塁でも見せた。近本を刺そうと遊撃京田が本塁送球した間に、三塁を狙った。間一髪でセーフの判定にリクエストが要求されたが、判定は覆らず。3番糸井の二ゴロで1点差となる本塁を踏んだ。5回には今季初盗塁も決め、守備ではアクシデントのガルシアに励ましの声をかけ続けた。

昨季で鳥谷が退団し、内野手最年長となった。矢野監督は新2番に「攻撃のバリエーションは増える選手。ポン(上本)らしいことができた」と評価。9回は安打性の当たりも好捕に阻まれて最後の打者となったが、今季初のフル出場。走攻守でのハッスルプレーで、苦しいチームを鼓舞した。【奥田隼人】