首位を“リード”するのは、エースだ。巨人菅野智之投手(30)が、12球団ナンバー「ワン」のスピードで完封勝利を挙げた。
◆菅野の原点力 右の強打者がそろう中日打線に対し、外角低めのストライクからボールになる変化球を徹底して集めた。スライダーとフォークボールの精度が抜群で、思わず手を出しても届かないピンポイント。しかも曲がりだしも遅く「手を出さざるを得ない」が適切な表現だろう。6回途中5失点の前回ヤクルト戦から中6日で見事に修正してきた。
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中日大野雄大投手が7回4安打2失点と好投。援護なく2敗目を喫したが、巨人菅野との緊迫した投手戦を展開した。
◆ザ・大野雄 本格派左腕の本領を遺憾なく発揮した。基本、球種は3つ。カウント不問で高く速い球を投げ込み、変化球は真ん中から下に散らした。パーラ、ウィーラーにも高めの直球を軸に圧倒。今季ベストの投球だった。坂本の本塁打は、フルカウントから膝元に沈むスライダー。軌道はイメージ通りだったはずで、超ハイレベルの攻防にわずかに屈しただけだ。