阪神糸原健斗内野手は2夜連続のお立ち台でも主将であり続けた。横には完投勝利の西勇がいた。大黒柱は3日前に女性問題を報じられたことを公の場で謝罪していた。「今日はいつも以上に西さんが集中していたので、なんとか助けてあげたいという気持ちで打ちました」。神妙な表情を崩さない仲間の胸中をおもんぱかり、ねぎらいの言葉を優先した。

前日17日中日戦は幸運な内野安打が適時失策による先制点を呼び、3安打で完勝に貢献。翌日は文句なしの快音を響かせた。1点リードの3回2死二塁、勝野の初球146キロを右中間フェンス直撃の適時二塁打。「浜風がなかったら入っていたかな」と笑わせた後、自己最長の10戦連続安打にも「自分の仕事を全うするだけ」と勝利を喜んだ。

この日、高校野球島根大会で母校開星の恩師が再出発した。8年ぶりに復帰した野々村直通監督が公式戦初采配で5回コールド勝ち。教え子はスマートフォンで勝利を見届け、後輩たちの思いを力に変えていた。

「甲子園が中止ということで、あの子たちも悔しい思いをしていると思う。僕はそのグラウンドでできていることに感謝して、明日からも頑張りたい」

昨季対戦打率1割7分1厘の中日に今季は15打数5安打3打点。3タテがかかる19日も当然、主将に期待したくなる。【佐井陽介】