中日の山本拓実投手(20)が「限界調整」で21日の巨人戦先発に臨む。20日にナゴヤドームでの投手練習に参加。登板前日では異例の78球の投球練習で最終調整を終えた。

ここ2試合は4回を投げきれず降板。「今はとにかく早くリベンジしたい」と決死の覚悟で菅野との対決に挑む。

ナゴヤドームのマウンドを使った投球練習は終わる気配がない。通常なら20~30球程度だが、最後の直球を投げ終えたときは78球を数えていた。2日前の18日には遠征先の甲子園で約90球の投げ込みをしていたことも明かした。「ここ2試合、ゲームがまったく作れていない。何かを変えないといけないと強く感じてこの1週間は調整ではなく、自分を限界まで追い込んでみました」と説明した。

1日の阪神戦で今季初勝利をマークしたが、8日のヤクルト戦は3回0/35失点KO。前回14日DeNA戦は3回2/3で5失点。「こんなに情けなくて悔しいピッチングをしたのは初めて。プロに入って悔しくて涙を流したのは初めてです」と試合後のロッカーで涙がこぼれ落ちたことも明かした。

「監督、コーチにはガムシャラに向かっていく攻めのピッチングができていないと言われ、自分の良さが消えているなと思った」と山本。そこから限界への挑戦が始まった。チームは阪神に3連敗で借金6の最下位に沈む。右腕も今回の結果次第では…。「余分なことは考えず、ガムシャラに向かっていく」。自身もチームも勝利への執念を前面に出し、窮地脱出のきっかけとしたい。【安藤宏樹】