日本ハムのドリュー・バーヘイゲン投手(29)が三度目の正直で本拠地初勝利を挙げた。オリックス11回戦(札幌ドーム)は、最速157キロの直球を軸にしたパワー投球で、来日最長7回を投げ4安打無失点で3勝目。お立ち台では日々勉強を重ねる日本語で自己紹介をクールに決め、チームの8月白星スタートに貢献した。

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待ちに待った舞台で、バーヘイゲンが完璧に決めてみせた。札幌ドームで初めてのヒーローインタビュー。日本語で「ホッカイドウ、ミナサン、ハジメマシテ、バーヘイゲンデス」とあいさつ。「ホームでの1勝は最高の気分」と笑顔を見せた。

立ち上がりからエンジン全開だった。初回先頭の大城を、この日最速の157キロ直球で一ゴロに打ち取り、波に乗った。150キロ台中盤の直球とツーシームで押すパワー投球を軸に、スライダーやカーブ、チェンジアップを適度に織り交ぜて相手打線を翻弄(ほんろう)。「初回が終わってから、宇佐見に『今日の配球は全て任せるから頼む』と伝えていた。宇佐見サマサマです」。女房役のリードに感謝した。

日本での生活も約半年が経過した。日本野球への適応とともに、日本語も徐々に覚えている。この日の自己紹介も、ジェラード通訳から教えてもらった。「日常生活に必要な言葉は都度、教えてもらって、球場でのご飯の頼み方とか、少しずつ覚えてきているなという手応えはある」と自信が出てきた。

とあるハンバーガー屋で、日本語でダブルバーガーを頼んだつもりが「何か注文が間違ってしまって、パテが4つ挟まっているものが来てしまった。めちゃくちゃデカいハンバーガーだったよ」。苦笑いで振り返ったが、ミスは成長の糧だ。

開幕当初は走者を出すと、ばたつくこともあったが、少しずつ改善。この日は6試合目で来日最長の7回を投げて初の無失点。8月反攻へ、チームにとってもめちゃくちゃデカい手応えをもたらした快投だった。【木下大輔】