阪神が今年初めて水曜に勝った。8月初の連勝。5カードぶりに勝ち越し、3位に浮上した。

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阪神ベンチの執念のタクトが勝利につながった。9回。1点差に迫られ、一打逆転のピンチまで背負ったが、最後はストッパーのスアレスがリードのまま締めくくった。ポイントになった1つに、救援登板の3番手ジョー・ガンケル投手を好機で打席に立たせ、回またぎのイニングとなった7回を無失点で切り抜けたことがある。

7回の攻撃。リードを2点に広げ、2死満塁。打順は9番に回ってきた。指揮官は代打策ではなく、6回途中からマウンドに上がっていたガンケルをそのまま打席に送り出し、回またぎ登板を選択。試合後、その意図を語った。

矢野監督 9連戦でなかなかピッチャーの使い方も難しい…。なかなか(使い方を)決められていない状態なんで。その中で、こうだと思ったことをやった。イニングをまたいでいってくれたし。すごく助かっているよ。

救援陣は抑えスアレスが決まっているものの、勝利時の継投パターンががっちり固定されているわけではない事情もある。その中で、ガンケルは3点リードの6回1死二、三塁から登板。来日初のイニング途中でのマウンドとなった6回は2安打され、1点差まで迫られたが、7回は先頭打者こそ出塁させたものの無失点に抑えた。「(6回は)ゼロで抑えないといけない場面で、失点をしてしまったことは悔しい。最近はゼロで抑えることができていたから、今日もそれを続けたかったね」。本人は悔しさをのぞかせたが、リードを保って最後まで勝利の流れを手放さなかったことが大きかった。

ガンケルは、9日広島戦に続いて救援では今季2度目の回またぎとなったことについても言葉を続けた。「チームの勝ちにつながるのなら、どんな場面でも投げたいと思っているよ。それが長いイニングを投げることならば、これからもどんどん投げていきたいね」。今季4ホールド目は、なんとも価値ある登板となった。【松井周治】