偉大な祖父を越えた。広島の2年目正随優弥外野手(24)がプロ初安打初本塁打を記録した。

7点を追う7回。田中広の代打として起用され、ヤクルト中沢の低め真っすぐをバックスクリーン右のスタンド中段まで運んだ。「追い込まれてはいましたが、変わらず、自分のスイングを貫こうと思っていました」。持ち味のフルスイングでプロとしての大きな1歩を記した。

即戦力と期待された1年目の昨季は、2軍でも打率2割8厘に終わった。それでも当てにいく打撃ではなく。飛ばす打撃を求めた。今年1月には高校の先輩で現在パの本塁打王、日本ハム中田に弟子入り。力の入れ具合などを学んだ。シーズンに入っても電話などで助言をもらいながら、1軍初昇格、初安打につなげた。

赤ヘルのDNAも宿す。祖父・三原卓三氏(82)は元広島選手。初昇格時には電話を入れ「とにかく思い切ってやってこい」と背中を押してもらった。祖父が58年にプロで記録した安打から62年の月日をへて、孫の正随が祖父も記録できなかったアーチを描いた。チームは大敗も、新たな大砲誕生の予感だ。【前原淳】

◆正随優弥(しょうずい・ゆうや)1996年(平8)4月2日、広島県出身。大阪桐蔭、亜大を経て18年ドラフト6位で入団。昨季は1軍出場なし。今年1月に大阪桐蔭の先輩・日本ハム中田に弟子入りし、持ち味の長打力に磨きをかけた。今季2軍で打率2割5分6厘、1本塁打、9打点。祖父は広島OBで外野手だった三原卓三氏。180センチ、96キロ。右投げ右打ち。