打撃低調だった中日平田良介外野手(32)が目を覚ました。今季初の4安打で2打点。2回に右前打を放つと、1点リードの4回1死二塁ではフルカウントから山中の内角120キロ直球を捉え、左中間を深々と破る適時二塁打とした。「阿部選手がすごくいい形でつないでくれたので、絶対にランナーをかえそうと思いました」。直前に6番阿部が犠打。ベンチの期待に応え、大勝への流れをつくった。5回は星から中押しの中前適時打、7回には近藤から左前打を放った。6月27日広島戦以来の猛打賞で3連勝に貢献した。

開幕から攻撃型な2番を任されたが右肘痛で7月中旬に2軍落ちした。炎天下のナゴヤ球場で練習と試合を重ね、40度近い気温の中で特打を受けた際には軽い熱中症で倒れたことも。全ては本来の打撃を取り戻すためだった。8月下旬の1軍復帰から1カ月がたち、打率を2割台に戻し「調子は戻ってきている。今までは打ち損じばかりだったので、後はどの球を打つかだと思う」と胸を張った。

平田に呼応した打線は12安打9得点。福-祖父江-R・マルティネスの勝利の方程式に休息を与え、与田監督は「3連投させずに済んだ。打者に感謝です」と喜んだ。3位DeNAへ2差と迫った。【伊東大介】