レジェンド以来の快挙も見えた! 阪神近本光司外野手(25)が、今季8号の先制2ランで打線を活気づけた。「コンパクトにスイングすることができましたし、先制することができてよかったです」。

次打者席で見た先発左腕の打撃に刺激された。3回2死、高橋が坂本のスライダーに食らいついてチーム初安打をマーク。「遥人が打って塁に出てくれたので、自分も続きたいと思っていました」。近本が2球目のスライダーを右翼席へ運ぶと、ベンチもスタンドもガッツポーズで祝福した。

阪神では星野監督時代の02年以来、18年ぶりとなる甲子園8試合連続本塁打。近本自身もプロ2年目で初の2ケタ本塁打まで、あと2に迫った。阪神で2年目以内の左打者が2ケタアーチを描けば、1975年(昭50)の掛布雅之以来。残り40試合あり、45年ぶりに歴史の扉を開ける可能性が高まった。矢野監督も「効果的なホームラン。近本は体は大きくないですけど、ホームランも打てるんで、どんどん打ってほしい」とさらなる量産を期待した。

9月に入ってますます状態を上げている。20試合で5本塁打を放ち、安打が出なかったのは5試合だけ。この日もマルチで8試合で複数安打を放っている。月別打率も6月は1割2分8厘だったが7月は2割7分6厘、そして8&9月は3割台に突入した。矢野監督も「お客さんに入ってもらってね。今日でも盛り上がるし、チカ(近本)の本塁打でもメガホンたたいたり、みんなの思いは届いている」と笑顔。観客が増えてファンに後押しされるように、成績も右肩上がりだ。

前日3人で5安打した1番近本、2番糸原、3番糸井のオーダーはこの日も躍動。近本と糸原で2つの犠打も決め、トリオで6安打5打点をたたき出した。大技あり、小技ありの攻撃的1番が巨人への挑戦権を得るべく、まずはDeNA3連倒に全力を注ぐ。【磯綾乃】

▼阪神の甲子園での4日からの連続試合本塁打は8に伸びた。02年9月1日ヤクルト戦~同24日巨人戦8試合以来18年ぶり。23日DeNA戦で9試合に伸ばすと、90年6月23日ヤクルト戦~7月22日広島戦での12試合以来、30年ぶりになる。なお最長は、89年6月17日大洋戦~7月23日巨人戦での13試合。