大きなお月さまが右翼席後方で見守る中、昨季の巨人V戦士たちが“1軍ラストゲーム”の阿部ヘッドコーチ代行に勝利を贈った。中秋の名月の下、同代行の現役最終年の昨季加入した丸が先制打。3回には、15年に阿部からキャプテンを引き継いだ坂本が、2000安打まで残り32本とする右中間フェンス直撃の適時二塁打を放った。昨季も中心を張った2人のバットで主導権を握った。

阿部ヘッドコーチ代行は元木ヘッドコーチが虫垂炎の手術での入院が決まった9月16日、急きょ1軍に合流した。そこから9勝5敗と大きく勝ち越し。同15日に優勝マジック38を点灯させたばかりだったが、21まで減らした。「僕が来てから勝ち越せた。すごくうれしい気持ちですし、いろいろ勉強させてもらって、2軍でも自分の中で役に立たせられるように」。原監督の隣に立ち続けた14試合で感じたことは「やっぱり決断力」。2日からは2軍に再合流予定で、最後に坂本や丸を含めたナインに「ひたすら優勝に向けて突き進んでください」とエールを送った。

丸は「勝っても1つしか(マジックは)減らないわけですから。日本一に向けてどう入るかがすごく大事になる」。阿部チルドレンたちとともに、チーム一丸で2年連続の優勝へ向かう。【久永壮真】