オリックス頓宮裕真捕手(23)が、1軍プロ初マスクでチームを無失点勝利に導いた。ウエスタン・リーグでバッテリーを組んだ経験のある先発アルバースをリードし、7回途中まで2安打無失点。アルバースが7回2死一塁と塁上に走者を残して交代後も、2番手以降の比嘉-山田-ディクソンと無失点リレーを完結させた。

頓宮 しっかり自分の色を出そうと思ってリードしていきました。盗塁も刺したかったですけど、刺せなかったんで、次に出る機会があればしっかり刺して、ワンバウンドも止めて行きたい。

18年ドラフト2位で亜大から入団。右打ちでの強打を買われ、昨年は「5番三塁」で開幕スタメンを勝ち取った。だがシーズン途中、亜大時代の主戦場だった捕手復帰を希望し、正捕手の座を目指してプロ2年目の今季を迎えた。

伏見、若月、松井雅らの1軍捕手陣に割って入れず、不運なケガも重なった。7月1日のウエスタン・リーグ中日戦で自打球を当て、左脛骨(けいこつ)を骨折。「歩けない状態だったので、いろんな方に助けていただいてこうして野球ができている。感謝しています」と振り返る。

9月30日のウエスタン・リーグ阪神戦で実戦復帰し、1軍は23日ロッテ戦(京セラドーム大阪)の代打が今季初出場。この日は2回の初打席で、今季初安打となる二塁打を放ち、6回の第3打席でも中前打を打ってマルチ安打をマークした。

頓宮と組んで7月30日ロッテ戦(京セラドーム大阪)以来の4勝目をつかんだアルバースは「いいリズムで投げさせてくれた。ターゲットが大きくて、投げやすいキャッチャーだよ」とねぎらい。捕手の大先輩の中嶋監督代行も「ある程度、アルバースが引っ張るリードになるんで。そこにあいつが応えたというのがよかったんじゃないですかね。本当に緊張もしたでしょうけど、こうやって勝って、しかも完封というのはすごいな。自信になったんじゃないですかね」と好結果を喜び、残り試合でのスタメンマスクも約束した。