ロッテ沢村拓一投手(32)が海外フリーエージェント(FA)権を行使する意思を固めたことが29日、分かった。今日30日に書類を提出する。9月上旬にロッテにトレード移籍。10月17日に出場選手登録日数が通算9年に達し、海外移籍も可能なFA資格を取得した。今後は大リーグ移籍、ロッテへの宣言残留、国内他球団も選択肢に入れ、決断を下す。

  ◇   ◇   ◇

夢の実現へ、沢村が1歩を踏み出す。海外FA権を取得し、シーズン終了後にロッテと交渉。その上で、権利の行使を決断した。「権利を取るにあたって、ジャイアンツ、ロッテの方々には心から感謝しています。僕を一番必要としてくれるチームで、腕を振りたいと思っています。あと何年続けられるかわからない野球人生。悔いのない決断をしたいです」と語った。

すでに代理人を選定し、イチロー氏(現マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクター)、平野(マリナーズFA)らの日本人メジャーリーガーの担当を務めるジョン・ボッグス氏に決まった。メジャー通算3141安打のトニー・グウィンら超大物を担当するなど、豊富な経験と幅広い人脈で知られる敏腕代理人から、強力サポートを受ける。

潜在能力の高さに、複数のメジャー球団から熱視線を浴びる。今季は自己最速を更新する159キロを計測。スプリットは150キロ台前半で、メジャーでもトップクラスの数値をマークする。新型コロナウイルスの影響で不透明な部分もあるが、交渉が解禁されれば、リリーフが補強ポイントとなるマリナーズ、ブルージェイズ、パドレスらが獲得調査に乗り出す可能性があるとみられる。

日米42球団が選択肢の中、チームの勝利を最優先にしながら、自らが成長できる場所、環境が決断の条件。大リーグ移籍、ロッテ残留、国内他球団も選択肢に入れる。プロ10年間で先発、ストッパーの豊富な経験を持つが、常に刺激をモチベーションに変え、腕を振った。ロッテへの感謝の思いは強いが、あらゆる可能性を模索しながら、勝負の地を決める。