阪神が巨人との金銭トレードで山本泰寛内野手(27)を獲得することが29日、分かった。

バッテリー以外の内野全ポジションで出場するユーティリティー選手で、内野の守備力強化が急務だったチームの補強ポイントと合致。勝負の3年目となる矢野阪神の今オフ補強第1弾は、ライバル球団から戦力を補う驚きの一手だった。

山本は15年ドラフト5位で慶大から巨人に入団。4年目の昨季は自己最多92試合に出場し、打率2割3分2厘、2本塁打、10打点をマークした。今季は1軍出場はなかったが、2軍戦61試合に出場し、打率2割8分2厘、3本塁打、32打点、4盗塁を記録している。

阪神は今季、両リーグワーストの85失策を記録。金本政権下から3年連続で失策数が“日本一”と課題を克服し切れていない。ユーティリティー選手である山本の加入で内野陣に競争意識を生む狙いもある。今季限りで34歳上本が退団し、二遊間を守る右打ちはドラフト選手を含めても北條、熊谷の2人だけ。その意味でも獲得の価値がある。

関西に縁もある。山本は高校、大学ともに慶応という生粋の「慶応ボーイ」だが、今年、大阪に本社があるMBS(毎日放送)の辻沙穂里アナウンサーと結婚した。辻アナウンサーは妊娠中で、来春第1子が誕生する予定。課題克服へ、矢野阪神が渋くともキラリと光る補強を敢行した。近日中に発表される。

 

◆山本泰寛(やまもと・やすひろ)1993年10月10日、東京都生まれ。慶応高から慶大に進学し、15年ドラフト5位で巨人に入団。バッテリー以外の内野全ポジションをこなすユーティリティープレーヤー。プロ5年で通算186試合に出場し、打率2割3分4厘、3本塁打、22打点、5盗塁。今季推定年俸2600万円。176センチ、76キロ。右投げ右打ち。