オリックス育成ドラフト6位のBC福島・古長(こちょう)拓内野手(26)が11月30日、福島・郡山市内のホテルで指名あいさつを受け、支度金300万円、年俸240万円で仮契約した。創設7年目のBC福島にとって初のNPBドラフト指名入団。背番号「016」に決まった福島・いわき市出身の万能内野手は、「挑戦」と書き込んだサイン色紙を手にさらなる躍進を誓った。(金額は推定)

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古長が子供のころから憧れ続けてきたプロ野球のスタートラインに立った。指名あいさつ直後の入団交渉で即合意。写真撮影ではオリックス上村和裕スカウト(37)から帽子とユニホームを着せてもらい、「ちょっとウキウキします。実感が湧いてきました」と笑みがこぼれた。

オリックスのドラフト指名ではただ1人の内野手。身長164センチは今季NPBでも西武水口(オフに戦力外通告)の163センチに次ぐ小柄だが、内野なら全ポジションを守れる器用さとバットコントロールが評価された。会見にはメジャー3球団でプレーし、BC福島の球団代表を務める岩村明憲監督(41)も同席。父浩さん(51)と母操さん(51)もそばで見守った。岩村監督は「ホープスのプロ1号選手。思い入れがありうれしい。続く後輩たちの励みにもなる。少しでも早く2ケタ背番号を勝ち取ってほしい」とエールを送った。

第1歩を踏み出した初めてのサイン色紙には、「挑戦」と書き込んだ。振り返れば挑戦の連続。泉北小1年時に小名浜少年野球教室で野球を始め、泉中3年時はいわき市中学選抜の「松風クラブ」にも選ばれた。高校から九州に渡り、九州共立大ではリーグ出場を果たせぬまま中退したが、プロへの夢を持ち続けた。クラブチームを経て独立リーグ入り。両親も息子の夢を支え続けた。オリックス牧田勝吾編成副部長(46)は「ハートのある岩村監督の下でプレーした教え子」と、ムードメーカーとしても期待。古長は「1日でも早く支配下登録になって元気な姿を見せたい」と挑戦を続ける。【佐々木雄高】

◆古長拓(こちょう・たく)1994年(平6)8月5日生まれ、福島・いわき市出身。九州国際大付から九州共立大に進み、NTT東北マークスからBC福島に入団。164センチ、67キロ。50メートル走は5秒9、遠投90メートル。右投げ右打ち。憧れの選手はソフトバンク今宮。