日本ハム野村佑希内野手(20)がメジャー級のビッググラブで三塁レギュラーをつかむ。

18日、千葉・鎌ケ谷の2軍施設で自主トレしたホープは課題の守備力向上へグラブの仕様を見直したことを明かした。昨季までより一回り大きくした新グラブは日本人選手では最大級で、メジャーで最高守備選手を選ぶプラチナグラブ賞を4年連続で受賞中の三塁手ノーラン・アレナド内野手(29=ロッキーズ)と同サイズ。名手の型を手に、飛躍を目指す。

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スケールが大きい成長株は、課題撲滅へ道具もビッグにした。野村が今季使用予定の新グラブについて明かした。「今年はちょっと大きくしようかなという感じです。シンプルに先がちょっと長いです」。昨季からローリングス社のグラブを使用。日本人三塁手が使用するグラブの平均サイズより約1センチ大きい29・5センチ(人さし指の先端から手入れ部分まで)だったが、今季は1センチ長い30・5センチと5ミリ長い30センチを準備した。狙いは、明快だ。

野村 やっぱり長いほうが(打球がグラブに)入るので。少しでも捕れる確率を高くするためにやりたいなと思いました。

開幕スタメンも果たした昨季は21試合出場(守備は20試合)で7失策。うち6失策が捕球ミスによるものだった。同社の担当者とも話し合いながら、打球をしっかりつかむことを意識するために、昨季より一回り大きいサイズに挑戦することを決めた。

2つ準備した新グラブはオリジナル型だが、偶然にもロ軍のアレナドと同サイズとなった。昨季まで8年連続でゴールドグラブ賞、17年から4年連続でナ・リーグの最高守備選手としてプラチナグラブ賞を獲得した現役最高峰の三塁手だ。

大きなグラブは操作性の面で難易度も上がるが、野村の左手のサイズは日本人平均より大きく、外国人名手の型でもフィットしたもよう。15日まで沖縄・伊江島で杉谷らと行った合同自主トレでも試した野村は「しっかり違和感なく使えた」と手応えあり、だ。

伊江島では守備練習に重点を置いた。「(杉谷)ケンシさんが昔やっていた基礎練習や飯山コーチから教えてもらった基礎練習をしっかり自分のものにできるようにやりました」と充実の日々を振り返った。打力は1軍で通用することを証明済み。ミドルネーム「ジェームス」を持つ期待の成長株は、日本人離れしたビッググラブで課題の守備を克服し、レギュラー取りへの万全を期す。【木下大輔】

◆野村の昨季守備成績 三塁守備に就いたのは20試合で、失策数はチーム最多だった渡辺、清水の8個に次いで清宮と並び7個。併殺に3度絡んだが、守備率は8割台と低調だった。途中離脱の要因となった右手第5指基節骨の骨折を負ったのも、7月7日オリックス戦(京セラドーム大阪)での守備のゴロ捕球の際だった。

◆守備率 守備機会(アウトに関与した機会)のうち、失策をしなかった割合を表す。「守備率=(刺殺+補殺)÷(刺殺+補殺+失策)」で、数字が高いほど守備機会に対して失策する確率が低い選手であることを示している。昨季、規定以上の三塁手でパ・リーグ1位は楽天鈴木大地の9割7分8厘、セ・リーグ1位は中日高橋周平の9割8分2厘。なお、刺殺=飛球を捕球したときや送球を受けて打者、走者をアウトにしたときなど、補殺=送球など、刺殺者以外でアウトに関わった選手に記録される。