備えあれば憂いなし! 阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(21=近大)が22日、2月1日から始まる沖縄・宜野座1軍キャンプに3種のグラブを持参することを明かした。昨年11月に用具提供を受けるミズノで、大学時代に本職だった三塁用だけでなく、外野用、一塁用を用意。矢野監督は外野起用が基本線であることを明言しているが、チャンスがあれば内野も守る前向きな意気込みを示した。

21日に1軍キャンプメンバーが発表され、注目のドラフト1位スラッガーも名を連ねた。新調していた3種類のグラブを持っていくかを問われ「もちろんです」と即答。三塁用は大学時代から使用していた楽天藤田モデルから少し大きめに。外野用は巨人梶谷、一塁用はヤクルト村上モデルをベースに用意している。

キャンプ中に内野デビューする可能性は十分ある。昨季の韓国プロ野球で2冠王の新外国人、メル・ロハス・ジュニア外野手(30=KT)が左翼に就くことで、サンズは一塁起用が濃厚。だが主に三塁を主戦場とするマルテとともに来日したのは17日で、現在は14日間の自宅待機中。キャンプ序盤にチームに合流できる見込みだが、2月4日の初紅白戦に間に合わない可能性が高い。他の内野手から故障者が出ないとも限らない。佐藤輝本人も本職の内野守備に自信を持っており、3種のグラブ持参で、有事にもマルチに対応できるどん欲な姿勢を見せた。バットは予定通り、広島堂林、ヤクルト村上が過去に使用していたモデルを持参。商売道具がそろった。

この日は入団後初めて、甲子園に隣接する室内練習場で自主トレーニング。キャッチボールやノックを行い、その後鳴尾浜でも室内打撃などで体を動かした。野球道具以外で沖縄に持っていくものは、虎風荘へ入寮の際に持参した特注のマットレス。「(睡眠は)大事。持ち運び用もあるので、それを持って行きます」。こだわり抜いた勝負アイテムと一緒に、宜野座に乗り込む。【只松憲】

○…佐藤輝がサンテレビの「熱血! タイガース党」にリモート出演した。プロ入り後初のテレビ出演だが「(緊張は)あんまりしてないです」とさらり。1年目の目標には「ホームランを30本くらいは打ちたいですね」と力強く話した。番組内では新人合同自主トレで打撃練習を行う佐藤輝の映像が流れた。世界の盗塁王で同番組党首の福本豊氏(73)は「ティー打撃を見ていたら、ギータ(ソフトバンク柳田)みたいだね。そういうところに目標を置いてほしい」と、球界を代表するスラッガーを引き合いに大きな期待を寄せた。