「北九州の鬼」が、当地4年ぶりの勝利をファンに届けた。ソフトバンク甲斐拓也捕手(28)が、プロ初の5打点と大当たり。

北九州での連敗を3で止め、17年以来の白星を呼んだ。同率首位で並んでいた楽天を破り、単独首位に立った。

甲斐は、1点を追う2回2死二、三塁で左翼場外へ消える逆転の3号3ラン。同点の6回は1死満塁で、決勝の2点適時打を放った。「投手も頑張っていたし、なんとか先に点を取りたかった。何よりチームが勝てたことが良かった」。8回にも中前打を打ち、今季初の3安打。2年ぶりの地方球場、2年ぶりの北九州開催で、プロ野球を待っていたファンを喜ばせた。

昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、地方球場で予定していた主催試合がすべてペイペイドームに振り替えられた。球団が89年に福岡移転してから、毎年試合を行ってきた準本拠地の北九州でも昨年は初めて開催ゼロに。甲斐は「去年できなかった分、ここでできたことがありがたい。北九州だから球場に来られるという方も、たくさんいると思う。ホークスが勝った試合を見せられて良かった」と笑った。

黒星続きで「鬼門」となっていた北九州で、17年に直近の勝利を演出したのも甲斐だった。7月の西武戦で、2打席連続本塁打を含む3安打4打点の大暴れ。「あまり考えてはいないんですけど、北九州はぼく自身は好きです。ありがとうございます!」。すっかり暗くなった小倉の空に、女房役の笑顔が映えた。【山本大地】

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