ソフトバンクが、12球団最多本塁打を誇る巨人のお株を奪う連日の1発攻勢で首位をガッチリキープした。

前日の4発に続き、5本塁打で圧倒。巨人戦は19年の交流戦からオープン戦を含めて14連勝だ。2週間ぶりにスタメン出場した長谷川勇也外野手(36)が、3年ぶりの1試合2本塁打をマーク。4打点の活躍で起用に応え、G倒に大きく貢献した。

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連日のペイペイドームのアーチショー。この日存在感を発揮したのは、2週間ぶりにスタメン出場した長谷川だ。今季は主に代打出場ながら、試合前時点で打率3割超え。過去のスタメン4試合は全て安打を放っていた。工藤監督が5番起用の意図を明かした。

工藤監督 代打が薄くなってしまうので、取っておくというやり方をしている。その中でも結果を残してくれていた。長谷川君の状態もある。(小久保)ヘッドが見極めてくれた。

代打の切り札がベンチにいなくなるジレンマもあったが、思い切って「ジョーカー」を投入。背番号24が、1発回答どころか“2発回答”で応えた。

柳田のソロで1点差に迫った直後の2回無死で、巨人サンチェスのフォークをとらえ、右中間テラス席へ2者連続となる同点ソロ。2点リードの5回2死一、二塁ではサンチェスのカットボールを打ち、まるでVTRのように再び右中間テラス席へ3ランを運んだ。

長谷川 代打は考える時間がないので、目と体だけでやる。先発だとどうしても頭で考えちゃう。(意識して)あまり配球とかを考えないようにしている。

代打と先発の違いを冷静に区別し、変わらぬ集中力を打席でぶつけた。1試合2発は3年ぶり。会心4打点で巨人連倒を演出した。

長谷川の2発に加え、柳田、甲斐、松田にも1発が飛び出した。前日の4発に続く5本塁打で、12球団最多アーチを誇る巨人のお株を奪う2戦9発の量産ぶり。中日3連戦では元気のなかった打線が、近年めっぽう相性のいい巨人相手に強力打線の本領を発揮した。 工藤監督 全てが意味のある本塁打だったし、相手にとって痛い1発だった。

巨人戦は19年6月の交流戦から日本シリーズ、オープン戦を含めて14連勝だ。2戦続けて4本塁打以上、2試合で計9本塁打以上は、いずれも19年以来2年ぶり。勢いそのまま、2年連続のセ界王者を一気にスイープする。【山本大地】

▽ソフトバンク松田(6回に右中間テラス席に5試合ぶりの6号ソロ)「真っすぐをいい方向に打ち込むことができました。流れ的にも、1点を返された直後に1点を返すことができてよかったです」