侍ジャパンの東京オリンピック(五輪)代表に“ユーティリティー枠”でソフトバンク栗原陵矢捕手(24)と“変則投法枠”で阪神青柳晃洋投手(27)の選出が濃厚なことが1日、分かった。

栗原は強打の左打ちで昨季日本シリーズMVPに輝き、今季も打率3割台をキープ。外野手として定着し、両翼を主に務めるが、一、三塁手と内野も守れる。さらに本来の捕手でも試合数は少ないながらも今季も含めて5年連続で出場。捕手は2人態勢となる予定だが「事実上の3人目」として最強のユーティリティー選手になれる。春江工高3年時には、U18アジア選手権で日本代表に選ばれ、主将として準優勝に貢献した。

青柳はサイドスローから繰り出す140キロ台の直球を主体にシンカー、スライダーで左右への揺さぶりにたけている。国際大会では変則投法の系譜が強く刻まれている。渡辺俊、牧田、高橋礼と外国人打者に威力を発揮してきた。投法は異なるが、特殊性は共通する。チームでは先発だが、ロングリリーフを中心にキーマンとなりそうだ。

5月31日にスタッフ会議を行い、代表24人への絞り込み作業を行った。楽天田中将、浅村、オリックス山本、ソフトバンク甲斐、柳田、オリックス吉田正、広島菊池涼、鈴木誠らが順当にメンバー入りしたとみられる。故障から復帰を目指す巨人坂本、菅野も五輪開幕前までに復帰して一定の公式戦をこなせる見込みで、名を連ねそうだ。

昨年頭角を現した広島森下、ヤクルト村上の投打のニュースターも選出が濃厚。救援陣には西武平良、阪神岩崎に加え、ルーキーでは唯一となる見込みの広島栗林も選出が有力だ。最終登録メンバーは今月中に発表される。主演級にバイプレーヤーが融合され、金メダルのフィナーレを飾る。

◆過去の侍の変則投手とユーティリティー野手 下手投げの渡辺俊介(ロッテ)は06、09年WBCに出場。5試合で防御率1・72と好投し、連覇に貢献した。同じくアンダースローの牧田(西武)も13、17年WBCと、15年プレミア12に出場。主に抑えを務め、通算10試合で防御率1・74だった。他に最近の国際大会では秋吉(ヤクルト)や森福、嘉弥真(ともにソフトバンク)らが選出された。

ユーティリティー野手では、04年アテネ五輪の木村拓(広島)が内外野に加え、ブルペン捕手も務めるなどチームを支えた。08年北京五輪では森野、荒木(ともに中日)が内外野で出場。他に最近の国際大会では外崎(西武)や周東(ソフトバンク)が選出。