中日が2点ビハインドの9回に阪神の守護神スアレスを打ち崩し、引き分けに持ち込んだ。先頭京田からの3連打で1点差に迫り、なおも1死一、三塁。代打福留孝介外野手(44)がフルカウントからの6球目、146キロチェンジアップを振り抜くと打球は左翼フェンスを直撃。はね返って…と思いきや、何と扉の隙間にすっぽり入る珍しいエンタイトル二塁打で同点に追いついた。

現役最年長の福留は二塁ベース上で右こぶしでガッツポーズを連発し、続けて左こぶしでも披露。「たまたま俺が打ったけど、みんなが流れを作ってくれた」。44歳が少年のように、体全体で喜びを表現した。もし打球が挟まっていなければ、44歳4カ月でのサヨナラ打という幕切れまであったかもしれないが、価値ある一打にはかわりない。

8回に2点を失って漂った敗戦ムードを、今季無得点に抑え込まれていたスアレス打ちで払拭(ふっしょく)。与田監督は「よく負けなかった。勝たせてあげたかったけど、ああいう粘りが出たのは大きかった」と選手たちをねぎらった。

▽中日大島(9回に右前適時打)「後ろにつなげられて良かった」

▽中日笠原(6回3安打1失点も、2年ぶりの白星ならず)「四球をけっこう出してしまったが、要所要所でしっかり投げきれたので良かったかなと思う」

▽中日伊藤(6回に代打で出場。今季初安打となる二塁打)「1本出て安心した。もっと自分の良さを出してアピールしたい」

▽中日堂上(この日33歳の誕生日。6回に代打で同点犠飛も、8回守備で阪神勝ち越しのきっかけになるファンブルでの二失)「(犠飛は)甘い球をしっかり外野まで持っていけた。(失策は)ちょっと焦って(球への)目切りが早かった」

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