BIGBOSSが自らトンボがけした理由とは-。日本ハム新庄剛志監督(49)が8日、沖縄・国頭の秋季キャンプを初視察した。野手がグラウンドでノックを受けた後は自らを含めたコーチ陣でトンボがけ。選手にはあえて、させなかった。「あれは守備を終わって、次の種目(練習メニュー)にいくまでに早く休憩させたいから。そしたら、次のプレーがまた集中力を持って(できる)。コーチにも言ったんですけど、選手がノックを受けた後は選手にはグラウンド整備をさせないでくれ、と。僕たちがやればいい。僕たちが心を込めてイレギュラーしないように、プレーにしてあげるためにやっただけであって。もう普通のことです」と、さわやかに言った。

現役時代の恩師から学んだ指導者としての哲学でもあった。「これはね、タイガースに島野育夫コーチという人がいた。このコーチは選手にグラウンド整備をさせなかった。グラウンドキーパーの方たちにさせるんでもなくて、選手が来る前に俺たちがやるんだ、と。だから僕はグラウンド整備を、ほとんどやったことがない。その姿で、島野さんが言うことは間違いないという風に変わっていった。そんな思いでやった」。中日、阪神、楽天で監督を務めた星野仙一氏の名参謀として知られる島野氏が当時から「好きだった」。

若くして1軍定着を果たし、怒られることも少なかったというが、島野氏は違った。「僕、サイン1発目でミスをした。ものすごい顔の近さで怒られた。あの時、俺甘やかされていたんですよ。でも、島野さんがものすごい勢いで怒ってきてくれて、なんか島野さんに付いていきたいと思った」。外野守備コーチだった島野氏からは当時、「もう外野の監督はお前でいけ」と言われるほど、守備について意見を交わしながら信頼関係も築いていた。「僕は柏原(純一)さん、島野さんには、ものすごく大事にされた。そういう、いい部分は今もやっていきたいと思う」。恩師の精神を、BIGBOSS始動日から受け継いで実行していた。