ソフトバンク田上奏大投手(19)が、プロ初登板初先発に挑み、5回2/3を2安打無失点と好投した。

【ニッカン式スコア】12日のソフトバンク-ロッテ戦詳細スコア

1回は3番中村奨への1球目に自己最速を1キロ更新する155キロを計測。立ち上がりから飛ばし、この回を無失点で切り抜けると、3度手をたたき、捕手の甲斐に頭をぺこり。「初回が一番緊張したし苦しい投球でした。2回以降は思い切って攻めることができたし、楽しんで投げることができました」。

4回1死では、4番レアードを外角低めスライダーでプロ初の奪三振。右の拳を2度握った。

6回先頭の池田に三塁内野安打。2死二塁で中村奨を迎えた場面で、2番手の津森にマウンドを譲った。「野手の方がたくさん声をかけてくださったし、守備で助けてくれたおかげで0点に抑えることができたと思います。初回の先頭バッターに対しての四球や、追い込んでからの投球に気をつければもっと自分らしい投球ができると思う。もっと良い投球ができるように頑張ります」。

高卒2年目19歳の75球に、球場から温かい拍手が送られた。

田上は20年ドラフト5位で入団。昨オフに育成契約も、4月7日に支配下再登録されたばかりだった。履正社(大阪)では、肩の強さを買われて高3春に外野手から投手に転向したが、公式戦登板はゼロ。ウエスタン・リーグも通算3試合の登板のみだが、力強い直球を評価され、藤本監督が1軍デビューを推薦していた。

◆田上奏大(たのうえ・そうた)2002年(平14)11月26日、大阪市生まれ。敷津浦小2年で「バイキングジュニア」で野球を始め、オリックスジュニアでもプレー。住之江中では西成ボーイズに在籍。履正社では1年秋からベンチ入りし、3年春から投手転向。20年ドラフト5位でソフトバンク入り。背番号70。家族は母由香さん(43)と兄楓大さん(21)。座右の銘は「一事が万事」。185センチ、88キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸600万円。