広島が27日、パドレス傘下3Aエルパソを自由契約になった元西武の秋山翔吾外野手(34)の獲得を発表した。今季を含めた3年総額5億円規模の複数年契約を結んだとみられる。この日、マツダスタジアムで練習を行った選手会長の大瀬良大地投手(31)ら広島ナインには大歓迎。戦力アップだけでなく、競争激化や相乗効果など多くの秋山効果が期待される。

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広島ファンを驚かせた「秋山、広島決断」の一報は、広島ナインにも驚きとともに広まった。この日、マツダスタジアムでは調整した先発陣にも、日本球界で申し分ない実績を持つ頼もしいバットマンの獲得に歓迎ムードが広がった。選手会長の大瀬良は秋山合流を心待ちにした様子で、喜びを口にした。「ビックリした気持ちもありますけど、一緒に戦えるということで、その日を待ちわびたいかなと思います」。共闘実現に胸を高鳴らせた。

広島には同学年の会沢だけでなく、菊池涼や田中広と侍ジャパンでともにプレーした選手もいる。親交ある選手たちも、秋山に直接ラブコールを送ったという。直接交渉した鈴木球団本部長は「(自分の)後ろに応援団はいっぱいいたし。彼らが一生懸命動いてくれたのだと思う。うちの応援団は自主的に動くから。そういういい環境、雰囲気を感じてくれたかもしれない」と認める。チーム一丸で秋山獲得に動き、実を結んだ。

首位打者や最多安打などのタイトルを獲得し、日米1476安打を誇るバットマンの加入は、競争激化も意味する。この日、休日を返上した宇草は「いろんなことを教わりたいけど、1軍にいなきゃ教わることはできないので、なんとか頑張っていこうと思います」と危機感を口にした。球団が期待する効果は戦力としての上積みだけではない。若手の見本となり、若手の競争相手となるなど、相乗効果にも期待をしている。

若い選手が多いチームカラーも、秋山加入がより効果をもたらす期待が高い。大瀬良は「選手として、あれだけ活躍して、実績も重ねられた方。そういった選手が来てくれるのは心強いですし、またどんどん上を目指していきたいなと。そういう気持ちになりました」とうなずいた。Aクラス死守を目指す今季だけでなく、来季以降のチーム強化にも、秋山加入は大きな意味を持つ。【前原淳】

▽広島遠藤 びっくりしています。でも、めちゃくちゃうれしいです。チームにとってもプラスですし、いろいろ聞きたいなと思っています。

▽広島床田 会ったことはないですけど、昔からテレビで見たことのある人なので、すごくうれしい。ずーっとヒットを打っているイメージがありますし、すごく頼もしいなと思います。

▽広島九里 日本であれだけ活躍されてましたし、僕自身質問してみたいこともあります。チームに関することも話をしていければいいと思いますし、いろいろコミュニケーションを取れればいいかなと思います。

○…日本野球機構(NPB)は27日、若手有望選手が出場するフレッシュオールスターゲーム(7月23日・長崎県営野球場)のメンバーを発表し、広島からはドラフト2位新人の森をはじめ、持丸、矢野、木下の4人が選出された。森は「選んでいただいてうれしい気持ちです。普段、対戦することの少ないバッターと対戦できることを楽しみに強気で攻める投球を見てもらいたいです」と意気込みを語った。

○…床田が28日のヤクルト戦で3連戦の先発先陣を切る。昨季王者で今季も首位を走るツバメ軍団には1勝7敗1分けと大きく負け越し中。4月13日の対戦で唯一の白星をもたらした左腕は「どの打順からでも点が取れると思うので、ムダな走者を出さないようにしたい」と引き締めた。リーグトップタイ8勝目を目指し、最短29日にも優勝マジックが点灯するヤクルト独走に待ったをかける。

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