西武にとっては悪夢の雨だった。27分間、試合を止めた大粒の滴は、つかめそうだった白星も流していった。逆転負けで楽天生命パークの連勝は8でストップ。辻監督は「嫌な中断だったですね」と言った。

3-0とリードした状況で水入りとなり、再開後、3点差をひっくり返された。7回。エンスが打者3人で同点とされた。島内にソロ、岡島に二塁打、辰己に2ランを浴びた。左腕は「勝利に貢献できず責任を感じています」。中断前も雨には苦しみながらの投球だった。マウンドに来た豊田投手コーチがユニホームでぬれた腕を拭かせてくれた場面もあった。何とか無失点で耐えていたが、一気に捉えられた。同点の8回は水上が登板。防御率1・01だった右腕さえも、のみ込まれた。一塁けん制悪送球も絡んで、勝ち越し点を奪われた。

盆を覆すような雨に試合の展開も覆された。まだパの女神は“混戦”を望んでいるようだった。

○…山川穂高内野手が35号ソロを放った。4回無死。楽天2番手・福井の代わりばなをたたいた。カウント0-2と追い込まれ、コンパクトに振る意識を強めた。それでも138キロフォークを左中間席へ運んだ。「打てて良かった」。2試合ぶりの1発で、パ・リーグ本塁打ランキング2位の楽天浅村との差を16本に広げた。

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