恵みの雨か-。広島は18、19日の中日戦(マツダスタジアム)が台風接近により、中止になった。当初、19日に中5日で先発予定だった九里亜蓮投手(31)が中6日で20日同戦に回った。右腕は今季中5日での先発防御率が3・75に対して、中6日では同3・16。1日スライドがどう出るか。今季残り6試合の広島。阪神と並んで3位タイのチームにとって、大事なシーズン最終盤が始まる。

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■初回からエンジン全開宣言

九里の発言内容が変わった。それがシーズンの時期を、戦い方を、そして心構えを示している。これまで、先発前は「1イニングでも多く…」と口にすることが多かった。それが、20日中日戦(マツダスタジアム)を前に発した言葉は「余力を残していくのではなく、思い切って攻めていければ」。長いイニングを投げられるタフネス右腕が、初回からエンジン全開でかかっていく。

「あと6試合は1つも落とせない試合が続く。相手に点を与えないことが一番だと思うし、点を取られても1点でも少なく抑えることで勝てるチャンスが増える。そっちの方が優先」

■早めの継投視野に「もう勝つしかない」

シーズンも終盤で佐々岡監督も早めに動く展開が続く。直近7戦連続で先発投手をイニング途中で降板させている。「この回まで」「打順が回れば」といったキリの良い状況での交代ではなく、断を下す。九里自身もその点は把握しており、「もう勝つしかない。良い流れをチームに持っていけるようにすることがベスト。1イニング、1人ずつしっかりアウトを取っていけるように投げたい」。目の前の打者から、アウトを重ねていく

■前回7安打の中日打線に最大級の警戒

前日18日に阪神が敗れ、3位に並んだ。4年ぶりAクラスを目指すチームにとって、最下位中日との一戦は取っておきたい。九里の今季中日戦防御率は1・62でカード別最良。「前回バンテリンドームでやったときはしっかり打たれている。1発がある打者の前に走者を出さないことが大事になってくる」。敵地での前回対戦では白星を挙げたが、阿部に2ランを浴びるなど、7安打された。最下位とはいえ、打線に最大級の警戒を敷く。

■成績が下がる中5日を回避

台風接近により、登板予定が19日から20日にスライドになった。結果的に中5日を回避しての登板。今季2度ある中5日よりも、中6日の方が九里の成績は良い。スライド登板が恵みの雨となるか。投手主将が背負う期待は大きい。【前山慎治】 

◆九里の登板間隔別成績

▽中6日以上で先発 20試合 116回2/3 自責点41 防御率3・16

▽中5日で先発 2試合 12回 自責点5 防御率3・75

▽中継ぎ 2試合 4回 自責点2 防御率4・50