阪神ドラフト1位の森下翔太外野手(22=中大)が、豪快アーチでスラッガーの片りんを見せた。沖縄・うるまでの2軍キャンプ2日目。プロ入り後初めて屋外でフリー打撃を行い、38スイングで推定135メートル弾を含む4本の柵越えを披露した。右足の肉離れの影響で別メニュー調整が続いているが、2軍本隊合流に向けて順調そのもの。遅れてくるドラ1が、右翼バトルの本命に躍り出る勢いだ。

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豪快スイングから放たれた森下の打球はグングン伸びた。ランチ特打に参加し、マシン相手のフリー打撃の7スイング目。左中間にかっ飛ばした一撃は、推定135メートルの特大弾となって具志川球場に弧を描いた。右足を故障しているとは思えない。初めてスパイクも履き、スラッガーの魅力が詰まったあいさつ代わりの弾道でスタンドを沸かせた。

森下 8割くらいだったけど当たったら柵を越えてくれる。パワーもついていますし、スパイクで踏ん張れた。見た目は大振りに見えるかもしれませんが、センター中心に打とうと意識しています。足も全然大丈夫な状態でできたので、よかったです。

前かがみで懐が深く、フォロースルーも大きいフォームは、メジャー選手の動画で日々研究。「いいな」と思った選手の打撃を参考に試行錯誤を続けている。スカイAの「猛虎キャンプリポート」で解説を務めたOBの福留孝介氏(45)も豪快打撃に目を丸くした。「スイングスピードが速いですし、構え的に外国人選手っぽい。ノイジー選手が打ってるのかと(笑い)」。

ケージの後ろから見つめた和田豊2軍監督(60)もうなった。「片りんというか、『おっ』というのは見せた。仕上がっていない中、あれくらいの打撃ができるのは非凡なものを持っている」。打席での雰囲気には米大リーグ・カブスの鈴木を挙げた。「体つきとかは、鈴木誠也とか。そういうタイプになってほしい」と期待大だ。

現在は別メニュー調整中ながら、約5分間の打撃練習をクリアし、徐々に消化できるメニューが増えてきた。2軍本隊合流へ回復は順調だ。報告を受けた岡田監督も、2月11日からの紅白2連戦に出場させる方針は変えていない。ただし「まだ走るのが、70~80(%)ぐらいの感じらしいけどな。まあ、万全になってからでいい」とコメント。急がなくて良いとし、はやる気持ちをセーブさせた。

森下も冷静に現在地を見つめている。「まだすぐに1軍に上がれる状態ではないと思っています。まずは目の前のことをやりたい」。焦ることなく、うるまでしっかりと戦闘ボディーを整え、激しい外野バトルに参戦する。【三宅ひとみ】

▼阪神森下(福留氏の解説に)「そうやって言葉をかけてもらったら素直にうれしい。続けていきたい」

○…ドラフト6位の富田蓮投手(21=三菱自動車岡崎)が第2クールに行う予定のシート打撃で実戦形式デビューする見込みとなった。この日はドラフト1位森下ら打者を立たせて、カーブを交えて30球のブルペン投球。「和田監督から『シートで投げられそうか?』と聞かれたので『もちろん投げられます』と答えました。真っすぐがどれだけ通用するか勝負しながら、持ち味のコントロールを生かしたい」と意気込んだ。

<阪神近年のドラフト最上位野手のキャンプ初打ち=すべて2月1日>

◆今岡誠(97年=1軍安芸)フリー打撃で大きくゆったりした構えから左右へライナーを打ち分けた。68スイングで柵越え7本、安打性40本の好発進だった。

◆鳥谷敬(04年=1軍宜野座)フリー打撃では55スイングで安打性23本、柵越えはなし。新人の初日では異例の居残り特打も行い、左右に低い打球を運んだ。

◆高山俊(16年=2軍安芸)右手骨折の影響で別メニュー。ティー打撃では掛布2軍監督から、視線の固定や狭いスタンスの取り方など、個別指導を受けた。

◆大山悠輔(17年=1軍宜野座)いきなり特打を実施。金本監督も30分つきっきりで指導するなど、フリー打撃と合わせて計162振で柵越え12本を放った。

◆近本光司(19年=1軍宜野座)社会人で首位打者や橋戸賞を獲得したヒットマンがシュアな打撃を披露。矢野監督の前で低い弾道で安打性を連発した。

◆佐藤輝明(21年=1軍宜野座)フリー打撃の89スイングで9本の柵越え。バックスクリーン直撃弾は推定135メートル。泳がされながら左翼へ大飛球を運ぶなど規格外のパワーを見せた。

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