「握れない」「すべる」。ブルペンから苦しみの声が漏れた。WBC日本代表の左腕、ヤクルト高橋奎二投手(25)が3日、沖縄・浦添キャンプでブルペン入りし、45球を投げてWBC球を試した。主な課題はストレートの制球面だった。

「縫い目の厚さが厚いものと、つるつるのものがある。ボールによって違う」。実際、昨年11月の侍ジャパンの強化試合では影響は少なかったという。縫い目に指がうまくかからないボールに当たると「右打者のインコースに真っすぐを投げるのが難しい」と死球を気にし、攻めの投球がしづらい課題点を挙げた。

球を受けた侍ジャパン捕手の中村は「普段の奎二の2、3割」と評価。「びびりながら投げている」と指摘し「今のうちに確かめておかないと本戦にも影響が出る」と語った。修正すべき点を聞くと「縮こまってコントロールばかり気にするのではなく、球が暴れても良いから思いっきり腕を振り、その上でボールに慣れていった方がいい」とアドバイスを送った。

一方で変化球は直球ほどの影響は受けなかった。対応策として「変化球中心の攻めも大事になってくる」。また試合ごとにブルペンでその日自分にフィットする球種を見つけるという対策も検討する。

ホテルの部屋でも暇さえあればWBC球を握っている。15日のロッテとの練習試合で実戦登板する予定。直球への対応もしっかり行い、万全の状態で代表合宿に合流する構えだ。【三須一紀】

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