今秋のドラフト候補に挙がる青学大の最速153キロ右腕・常広羽也斗投手(3年=大分舞鶴)が、今季初の実戦登板に臨んだ。

2球団4人のスカウトが見守る中、先発で5回を投げ、持ち味のテンポのいい投球で4安打無四球の無失点。力強い真っすぐにキレのあるフォークで奪った三振は6。最速は148キロだった。

ほぼ完璧な投球にも、常広は「やりたいことはできました」と冷静だった。「相手が社会人なので、単打は打たれて当然。ストライク先行で長打を打たれないように心がけて投げました」。2月は寒さもあり、左足に体重が乗り切らず調子を落としていた。「今日は可動域が広がり、意識していたことが表現できました」。球持ちも良くなり、力強い真っすぐを軸とした安定した投球を取り戻した。

視察した中日の松永スカウト部長は「昨年は力むイメージだったけど、今日は全く力感がなくコントロールもよかった。暖かくなれば150キロは越えるでしょう。いいですね」と評価した。

リーグ戦開幕まで1カ月を切った。安藤寧則監督(45)は「こういう投球もできるということを証明してくれましたね」と、エースの順調な調整に笑顔。常広も「これから暖かくなってくれば、球速も上がってくると思う。結果を意識せず、ストライクゾーンに集め流れを引き寄せる投球をしていきたい」と、静かに前を向いた。【保坂淑子】