広島が、新井イズムが体に染み込む大瀬良大地投手(31)と堂林翔太内野手(31)の活躍で、巨人との接戦をものにした。前日6日の雨天コールドによる12球団最遅の今季初勝利から、この日は投打がかみ合って逃げ切った。開幕4連敗の悪い流れを完全に吹き飛ばす1勝で、連勝街道を描いていく。

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総立ちの広島ベンチで、新井監督が誰よりも派手に喜びを爆発させた。1点リードの6回2死、代打に送ったのは開幕6戦目にして初出場の堂林。カウント1-1から巨人大江のスライダーを振り抜いた。打球は指揮官の叫び声に押されるように、左翼席に吸い込まれた。

新井監督 オープン戦のときから打席の内容は良かった。今季初打席、貴重な追加点となるホームラン。彼にも言いました、“格好いいじゃん”と。

堂林は新井監督が現役だった16年オフに弟子入りし、17年1月には護摩行に同行した。現役引退後も電話や球場を訪れた際に助言をもらい、昨季は代打率3割3厘を残した。再び共闘することとなった今季、「7番右翼」で先発予定だった5日阪神戦は雨天中止で流れた。前日6日の同戦も出番なし。「いつもは雨がうれしいんですけど、一昨日の雨は悔しかった。何とか仕事ができて良かった」。ようやく巡ってきた今季初打席。2球目を空振りしたことで「力が抜けて、ベストスイングできた」と、新井監督仕込みの打撃で放物線を描いた。

先発大瀬良も、新井監督と現役時代ともにプレー。グラウンドだけでなく、食事にも何度も行き、野球人としてだけでなく、人としての助言も受けてきた。「人間の本質はしんどいときに姿として出る」。コンディション不良を隠しながらの登板を続けた昨季終盤、その言葉を胸にマウンド外でも凜(りん)とし続けた。この日も1度は逆転を許し、6回まで毎回走者を背負いながらも粘り強く投げ切った。新井監督も「本当に粘り強く投げてくれた。勝負どころで気迫が出ていた。うちのエースですからね」とたたえた。

先制した1回に、再逆転した3回は打線のつながりで得点した。開幕4連敗から連勝。新井イズムはチーム全体に浸透しつつある。【前原淳】

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