帰宅の途に就く日本ハム鈴木健矢投手のカバンには銀紙に包まれた“記念球”が入っていた。「幻の、ただのボールになっちゃいました」。3点を追う2回2死一塁で右前打を放った。加藤豪と松本剛の連続適時打を誘発するプロ初安打となるはずが、無念のノーゲーム。それでも「一応、両親に幻のボールを渡そうかなと。いつか、初ヒットを渡せたら。でも本業はピッチャーなので」と苦笑いした。

本業は苦しんだ。1回からDeNA打線につかまり、打者一巡で3失点を喫した。「しっかり対策をされた。前さばきというか、浮き上がる前に捉えてくる感じが見えた」とアンダースロー対策を講じてきた相手の術中にはまったが、こちらの結果も幻に。初安打の記録がなくなったことよりも「もちろん3失点なくなった方が」と笑顔。「そういう打者に対しての対策も考えないといけない。勉強になった」と逆に収穫を得て笑顔だった。

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