仲間を、チームを救った! 阪神中野拓夢内野手(27)が、同点の2号ソロで延長11回の勝ち越し劇につなげた。

逆転され、1点ビハインドになった直後の8回2死。巨人鈴木康の136キロを右翼席へ運んだ。「(本塁打は)狙ってないです」と自然体で4月30日ヤクルト戦以来、自身3カ月以上ぶりのアーチを生み出した。

「とにかく出塁して後ろにつなぐことだけを考えて。流れが良くない中での打席でしたが、最高の結果になってよかったです」

流れが良くない-。試練は7回に待っていた。2番手桐敷が簡単に2死をとったが、ここからだった。6番ブリンソンの左中間への飛球を、中堅近本と途中出場の左翼島田の2人が追った。最終的に、ともにグラブを出して島田が落球。3者凡退で終わるところが、まさかの失策で走者を許した。

2死二塁。続く代打中田翔への2球目、146キロを強振され打球は左中間スタンドへ。13号2ランで試合をひっくり返された。ミスから、最悪な流れになっていた。

だからこそ、価値ある1発だ。岡田監督も「エラーからの失点だったんで、千金のホームランやった。試合の流れから言うて、一番、価値あるホームランよ」とたたえた。ダイヤモンドを1周した背番号51は、失策を犯した島田にハイタッチ。三塁側ベンチには笑顔が戻った。

「自分自身も驚いているけど、ああいう結果になってよかった。あのままズルズルいってしまうと、負けてしまっていたかなと思うので、なんとか雰囲気を変えられてよかった」

言葉通り、ミスで負けていてもおかしくないゲーム。一振りで流れを引き戻し、6連勝&今季最多の貯金20に導いた。ミスを一丸で帳消しにした1勝の価値は大きい。【中野椋】

■輝6番降格で奮起打

阪神佐藤輝が打順降格に奮起した。17試合ぶりに打順を1つ下げ「6番三塁」で出場。2回1死ではグリフィンの変化球をたたき、右中間を破る二塁打をマーク。7回1死一塁からは右前打を放ち、直後の梅野の先制打につなげた。連日の接戦をモノにしただけに「負けそうになっても誰かが打ったり、いいプレーをして、チームでいい野球ができてるんじゃないかなと思います」と胸を張った。

■大山猛打賞で100安打

阪神4番大山が延長11回、決勝打を呼び込む一打を放った。無死一塁でビーディから右前打。チャンスを拡大し、梅野と木浪の殊勲打につなげた。この日は5打数3安打。8回の一打で今季100安打にも到達した。「どんな内容であれ勝つことが大事。そういう時期にきてるので、いろいろあったけど、勝ったことが一番だと思いますし、勝ちきれたのはチームとしてもすごく大きい」とうなずいた。

■近本14試合連続ヒット

阪神近本が今季の自己最長をさらに更新する14試合連続安打を決めた。初回、巨人グリフィンから中前への「ポテンヒット」で出塁。右肋骨(ろっこつ)骨折から復帰後、最初の2戦は無安打だったが、7月25日巨人戦から安打を放ち続けている。守備面では7回、左中間への飛球に左翼島田と連係が取れず、ともにグラブを出し島田が落球。直後に中田翔の2ランが飛び出した。