<DeNA0-2阪神>◇20日◇横浜

真夏の二刀流で、サイ・ヤング賞右腕に勝った。阪神伊藤将司投手(27)が、プロ4度目の完封勝利を飾り、優勝マジックを「26」に減らした。

9回6安打、3奪三振、無失点で、DeNAバウアーにチーム3度目の対戦で黒星をつけた。打ってはバウアーから適時打を含む2安打の大暴れ。岡田阪神は連勝で2カードぶりの勝ち越しを決め、DeNA戦も2シーズンぶりの勝ち越し。貯金は今季最多タイの「24」と、歓喜の「アレ(=優勝)」へと着実に近づいている。

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プロ3年目の伊藤将は、すでに後輩たちの“研究対象”になっている。2年目で2軍の先発ローテーションに定着しつつある鈴木に、残留練習のある日、「カットボールはどう投げてるんですか?」と聞かれた。同じ左腕の後輩は、右打者の内側に投げ切りたいスライダーが、抜け気味になることに悩んでいた。

「右バッターには、当ててもいいくらいの気持ちでいった方がいい。自然とファウルしてくれるから。そのくらいの気持ちでいこう。空振りを狙わないカウント球だし、ヒットを打たれたらしょうがないよ」

ある種の割り切りを説いた。鈴木も「アドバイスをいただいて、手応えのあるボールも増えてきた」とうなずく。先輩はこの日の7回、極意を伝授したカットボールで大和を併殺打に仕留めた。学び、学ばれ、投手陣の中心になりつつある。【阪神担当=中野椋】

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