「新虎の穴」の概要が見えてきた。阪神電鉄の久須勇介社長(62)が26日、松本真尼崎市長(44)とともに、都内の環境省で伊藤信太郎環境相(70)と3者対談を行った。25年3月に兵庫・尼崎市で開場予定の阪神2軍施設「ゼロカーボンベースボールパーク」について「常勝軍団に向けて大変期待の大きい施設」と説明。映像分析システム「ホークアイ」を導入するなど、ハイテク機器が集まる最新鋭の施設で若虎たちが腕を磨くことになりそうだ。
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阪神電鉄の久須社長は、伊藤環境相の前で「常勝軍団に向けてたいへん期待の大きい施設」と力を込めた。あと1年と3カ月で開場する阪神の新2軍施設。その概要が明らかになった。
<1>「ホークアイ」導入 最大の目玉は“鷹の目”だ。新球場には8台の専用カメラが稼働する映像分析システム「ホークアイ」を設置予定。鳴尾浜に設置されている高性能弾道測定器「トラックマン」よりさらに幅広いデータ収集、細やかな分析が可能となる。
投手ならリリースポイントや角度、投球時の手首や肩の位置が超スロー再生でき、静止画も含めて確認が可能。野手も打撃フォームや打球角度などのチェックに利用できる。一足早く甲子園では今季から導入されて1軍選手が使いこなし、38年ぶり日本一の恩恵にあずかった。新施設では2軍選手もより細やかに正確に自身の長所や弱点を見つめ直し、パフォーマンス向上につなげることができる。
<2>いたるところにカメラ設置 ホークアイに加え、施設全域に専用カメラが設置される。その数、約20台。支給されているタブレット端末から練習や試合の映像が確認でき、1軍首脳陣が甲子園や遠征先から2軍選手の動きの詳細を確認することも可能になる。選手にとってみれば、1軍監督からいつ、どこで見られているか分からない“監視カメラ”のような存在。練習にさらなる緊張感が生まれそうだ。1軍首脳陣も一目瞭然で選手個々の状態を把握でき、2軍との連携もよりスムーズになりそうだ。
<4>巨大な室内練習場 ウエートトレーニングを行うトレーニングルームは、鳴尾浜に比べて約1・5倍の大きさに拡大。室内練習場に至っては鳴尾浜の約11倍、甲子園の約1・5倍の大きさに拡大される。約65メートル×約90メートルで建築面積6168平方メートルは球界最大クラス。特筆すべきは選手寮の「新虎風荘」と室内練習場、トレーニングルームが一体となっている点だ。24時間好きな時に、やりたい練習に打ち込むことができる。
<3>流水プール 現在は甲子園クラブハウスにのみ設置されている。故障でリハビリも行う2軍施設に新設されれば、甲子園と鳴尾浜を往復している手間が省け、気軽に疲労回復やトレーニングに励むことができる。
<5>ランニング用走路 室内練習場の横にダッシュなどが行える坂路を設置。阪神なんば線のすぐ横にあり、通勤や通学時の電車内から虎戦士が走り込む姿が見えそう。虎党にとって、新名所になる可能性がある。また、外野スタンドには投手が調整で使用する200メートル超のランニング専用走路を設置。フリー打撃などの打球を気にせずに汗を流すことができるようになる。
最新鋭の分析機器があり、巨大練習場や故障者に配慮したプールもあって、ファンが楽しみになるような工夫もある。25年3月の開場が今から楽しみだ。【中野椋】
○…阪神2軍施設「ゼロカーボンベースボールパーク」は、環境省が推進する脱炭素先行地域に選ばれ、同自治体・施設の中で初めて完成する事例として注目が高まっている。対談では伊藤環境相が「日本一おめでとうございます」と切り出すと、和やかなムードに包まれた。2050年のカーボンニュートラル実現、2030年に温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指し「この球場がトップランナーとして素晴らしい例を実現していってほしい」と言葉を送られた。久須社長は「持続可能な社会の実現に向けて少しでも何かできたら」と誓った。虎は「脱炭素」でも日本一の球団を目指す。
★阪神2軍新施設主な概要 ▼メイン球場 名称は日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎。両翼95メートル、中堅118メートル(方向やグラウンドの形状・仕様は甲子園球場と同じ)。 ▼客席 約3600席。引退試合など特別な場合には外野に臨時で800席設ける。 ▼室内練習場 建築面積は6168平方メートル。ブルペン6レーン、打撃練習6レーン。 ▼選手寮兼クラブハウス 部屋数は38。将来対応として5部屋増設可能。トレーニングルームは約300平方メートル。



