中日が上林誠知外野手(29)の“神の手”走塁で勝ち越し、井上一樹新監督のホーム開幕戦を勝利で飾った。1-1同点の7回、先頭中田が二塁打で出ると、代走上林が登場。村松の送りバントは投手前で完全アウトのタイミングだったが、頭から突っ込んだ上林はとっさに右手をひっこめ、左手でベースにつきセーフ。続く木下のスクイズで勝ち越した。FA移籍した守護神マルティネスを出さない展開に持ち込み、勝率を5割に戻した。

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メジャーリーガーばりの“スイム”だった。1-1同点の7回無死二塁。村松の送りバントは投手前へ転がり、井上は三塁へ送球。タイミングは完全にアウトだった。三塁手中山も、頭から滑ってくる上林の右手の前にグラブを置くように待ち構えていた。だが上林はグラブをかわすように右手を後ろへ引き、左手をグッと伸ばしベースタッチ。「セーフ」の判定に巨人阿部監督がリクエストしたが、判定は変わらなかった。

上林 足から行ったら絶対アウトだったんで、上から行って何か起きればなって、短い時間の中で思考をグルグル回しながら出した答えがあれでした。右手の先にグラブがあったので、(右手を)引くしかないと、とっさに。

8番木下の初球、一塁前に転がしたスクイズで上林が再びヘッドスライディングを決めて生還。勝ち越し点を奪った。ホーム初陣を飾った井上新監督は「誰もがヤバい、アウトと思ったところでまさかのプレー。上林のスライディングさまさまです」と目を細めた。

ソフトバンク時代には、一塁けん制の帰塁練習で手を引いてタッチをかわす動作を反復。その成果が出た形となった。22年に断裂した右足のアキレス腱(けん)は、今もうずくことがある。それでも「走れるところも自分の武器」と貪欲に次の塁を狙っている。

巨人先発井上には昨季4試合で3つ白星を献上し、1度も勝てなかった。その左腕に、22年8月24日以来3年ぶりに土をつけた。FA移籍した元守護神マルティネスにも出番を与えず、8回清水、9回松山で僅差を守って勝率を5割に戻した。竜党には痛快な25年のホーム初勝利。きょう2日も勝って、井上体制初の貯金生活だ。【石橋隆雄】

中日木下(7回に決勝のスクイズを決め)「本当に最高の結果になった。僕たちは形じゃなく勝つことがすべて」

中日カリステ(8回に右犠飛で3点目)「どうしても追加点がほしい場面で、仕事ができてよかったよ」

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