西武の今井達也投手(27)が28日、調整のためベルーナドームを訪れた。
今井自身は休日だった前日27日、自分たちの本拠地でソフトバンクが優勝を決めた。
「いやぁ…めちゃくちゃ悔しいですよ。昨日もね、ここで優勝決められてるわけだし。今年も去年も、開幕投手をやらせていただいた側なので、悔しい気持ちもありますしね」
160キロに迫る直球と、魔球の域にあるスライダー。シーズン中には新球シンカーも取り入れ、球界を代表する難攻不落な投手の1人になった。
今季は今井の登板日にメジャー球団のスカウトの姿も目立つ。自身のメジャーへの興味を問われると「興味というか、嫌でも(試合情報が)目に入ってくるので、見たりもします」とは話す。その最高峰から見つめられる張本人は、まるで気にしていない。
「(見られるのは)うれしいことですけど、スカウトのために投げてるわけじゃないですしね。チームが勝つために投げているわけなので。あくまでも勝つためにその日の最大のパフォーマンスを出せることだけを考えているので」
目標の1つは野球ファンたちから「今井が投げる試合を見たい」と言ってもらえる存在になること。口数は多くないが、応援してくれるファンへの敬意や、彼らの熱量に応えたいという思いは並外れて大きい。
とりわけ9月18日、オリックス戦(ベルーナドーム)の登板後の話は印象的だった。
「本拠地で見る僕と敵地で見る僕ではファンの方も気持ちも違うと思うので、本拠地で勝ったほうがファンの方もうれしいと思いますし、いつも以上に気持ちが入りましたね」
シーズンオフが近づき、自身の将来についての雑音も聞こえ始めた。「(球団に)メジャーに行きたいなんてひと言も言ってないですし…。(どういう状況か)僕が知りたいですよ」と困惑するばかり。
エースはそれほどまでにペナントに熱中する。全てを注ぐ。仲間と勝つため、ファンと喜びを共有するため、時に自分を犠牲にしてでも腕を振る。報道陣に囲まれた10分少々で、最も声を張ったのは冒頭のV逸についての「めちゃくちゃ悔しいですよ」だった。
今季の最終登板は10月2日、オリックス戦(京セラドーム大阪)。今はそこしか見ていないし、見る必要もない。【金子真仁】



