1年ぶりの公式戦マウンドに、七十七銀行の森翔平投手(28=国学院大)が立った。7回から登板。「圧倒されないように。跳ね返していけるように」。相手応援団のブラスバンドが鳴り響き、アウェー状態。それでも7年目の落ち着きは圧巻だった。淡々と投げ込み3回5奪三振。ほえる森。みなぎる闘志を抑え込むことはできなかった。

頼もしい右腕が帰ってきた。今年4月、朝の目覚めと同時に起き上がれないほどの激痛に襲われた。救急搬送され、即手術。診断は椎間板ヘルニアだった。その後、退院までは早かったが、傷口の炎症により再入院。次は約1カ月と、長い病院生活だった。練習に復帰してからも苦労は絶えず。「10分のジョギングもまともにできなくて、感覚がまひしきっていました」。気が遠くなるようなリハビリだったが、8月中旬にはオープン戦に復帰し、今大会を万全な状態で迎えるまで回復した。

ここに懸ける思いは人一倍。6月の都市対抗予選は、森以外にもコンディション不良投手が複数いたことで、残された投手陣がフル稼働。たまりにたまった疲労が投球にも響き、本戦出場を逃した。「自分が投げられれば…」。森は何度も唇をかんだ。勝利を信じることしかできなかった。

だが、今はちがう。マウンドに立ち、腕を振っている。「迷惑をかけた分、次は自分が全試合フル稼働で投げます」。悔しさ、もどかしさに苦しんだ6カ月間。ここに全てをぶつける。【木村有優】