中日のドラフト2位ルーキー桜井頼之介投手(22)が、6回2失点と好投し、6度目の先発で待望のプロ初勝利を手にした。初回に辰己に先制2ランを浴びたものの、以降は毎回走者を背負いながらも要所を締める投球。最速152キロ直球にカットボール、フォークなど多彩な変化球を織り交ぜ、8奪三振をマークした。
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ドラフト2位ルーキー中日桜井は骨折してもグラウンドに必ず来る少年だった。小学3年時に足首を骨折し、ギプス姿で松葉づえの生活になっても、週末はユニホームに袖を通し少年野球チームの輪にいた。プレーはできなくてもグラウンドの隅でパイプイスに座り、「見て学べることがある。みんながやってるんだから行かないと」と練習を休まず、できることを探し続ける少年だった。
甲子園に近い兵庫・尼崎で生まれ育った。父寿章さんは空手とバスケ、母麻衣子さんはソフトボール経験者。運動神経に優れた家庭で育ち、井上監督も「器用な天才肌」と評する。
麻衣子さんは少年桜井の生活リズムに合わせながら仕事を調整。松葉づえの時期には、ランドセルを代わりに背負いながら学校やグラウンドへの送り迎えに付き添うこともあった。反抗期らしい反抗期もなく、体調を崩したときには枕元に水をそっと置くような心優しい子だったという。
中学1年のとき、麻衣子さんが大腸がんを患ったが、手術から5年が経ち現在は寛解している。桜井は母の誕生日である「16日」にちなんだ背番号16を選び、登場曲には両親の結婚式の曲を選ぶなど、随所に家族への思いを重ねている。
この日、麻衣子さんは登場曲「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」の流れる本拠地バンテリンドームのマウンドに立つ愛息子を見守った。母麻衣子さんは「長かったね。でも、おめでとうって。もう抱きつきたいぐらいの気持ちです」と、ハンカチで涙をぬぐいながら、ほっとしたように笑った。6度目の先発でチームを2連勝に導く、待望のプロ初勝利をともに喜んだ。【佐瀬百合子】
中日桜井の母麻衣子さん(息子のプロ初勝利を見届け)「長かったねっていうのと、おめでとうって。もう抱きつきたいぐらいの気持ちです。(初回先制2ランに)これで(失点は)終わって~! と思いながら見ていました」



