プロ野球12球団のオーナー会議が16日、都内で行われ、中学の部活動の地域移行に伴う財源確保を主目的とする、プロ野球の試合を対象とした新たな「野球振興くじ」の導入に向け、具体的な検討を開始することを決めた。

背景にあるのは、少子化の進行と中学校の教員の働き方改革に伴う「部活動の地域移行」という環境激変だ。これまで学校教育が担ってきた「部活動」のロールモデルは限界に達し、地域展開への変容を迫られているが、地方自治体や受け皿となる地域スポーツクラブの財源、さらには専門指導者や練習場所の不足は深刻を極めている。プロ野球の榊原コミッショナーは「次世代につながる野球振興のための組織づくり、新たな財源の確保、これについては緊急の課題です。サッカーやバスケットボールなど事例を踏まえ、オーナー会議の中からスポーツ振興くじの枠組みを検討してはどうかというご意見を賜りました。今後は課題の洗い出し、関係省庁との調整、アマチュア団体との組織づくりに向け協議を進めていく」と話した。

これまで15、18年にも「野球くじ」について協議されたが、反対意見などもあって進展はなかった。だがその時とは情勢が大きく変化しており、オーナー会議の議長を務めるDeNA南場智子オーナーは「異論を唱えるオーナーはいなかった」と話した。

今回、導入が検討される「野球振興くじ」は、購入者が試合の勝敗を予想する「スポーツベッティング」とは一線を画す「非予想系くじ」が軸となる。コンピューターがランダムに組み合わせを選定するもので、先行するJリーグの「BIG」がモデルに近い。収益の約半分が国に納税され、残りが「スポーツ振興および野球界への還元」に回るという設計。NPB中村勝彦事務局長は「公明正大かつクリーンな仕組みとして段階を追って社会に説明し、ギャンブルや不法賭博との違いを徹底的に啓発することが重要。すぐに導入ということにはならない。慎重に、しっかり議論を重ねていく」と話した。プロ野球のブランド力を使い、中学野球を支える循環モデルの構築を目指す。