NPB(日本プロフェッショナル野球機構)のオーナーと「日本プロ野球選手会」が初めて会談の場を持つことが27日、分かった。12球団の選手が集まるオールスターに合わせ、28日に協議の場が設けられる。04年に起きた「球界再編騒動」などでの対立の過去もあったが、競技人口減少や米大リーグとの選手年俸差の拡大など、互いに危機感を抱く。野球振興くじの導入などを含めたプロ野球事業、裾野の拡大へ、手を取り合う。

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日本の野球史に刻まれる歴史的な1日になる。NPBのオーナーと選手が顔をつきあわせ、未来へ向けて話し合う。プロ野球が誕生して90年、プロ野球選手による「選手会」が設立されて42年。双方にとって、初めて踏み出す1歩、ともに進む第1歩になる。

互いに持つ危機意識が機会を生んだ。最も大きな懸念は、競技人口の減少。NPBの榊原コミッショナーは今月、「07年の160万人から、昨年は78万人に減少した」と説明している。戦前から日本スポーツ界の先頭を走ってきたが、令和のいま、待ったなしの苦境に直面している。

暗雲漂う将来のため、プロ野球界の最高意思決定機関である「オーナー会議」でも一手を投じようとしている。「野球振興くじ」の導入だ。今月16日には具体的検討に入る提案がなされ、野球振興事業の財源確保のために活用する意見が出ている。裾野の拡大へ向け、動きだそうとしている。

競技人口が先細れば、プロ野球界への影響も必至だ。ファン数にも陰りが出かねない。ひいては、広がり続ける米大リーグとの年俸格差なども、より顕著になっていくだろう。選手会はこれまでは球団代表と交渉してきたが、未来のプロ野球選手のためにも、いまが行動の時だった。

両者の過去を振り返れば、連携より対立の歴史が思い返される。22年前、04年に起きた「球界再編騒動」では、オーナー側は10球団1リーグ制への移行を支持し、選手会は反対。当時の古田選手会長がオーナー陣との直接会談の機会が得られるなら「開かれた感じでいい」と話したことが、うまく伝わらず、巨人渡辺オーナーが「分をわきまえないといかんよ。たかが選手が。たかがといっても、立派な選手もいるけどね。オーナーと対等に話をするなんて協約上根拠は1つもないよ」と発言。ファンの反発を買い、楽天が新規参入して1リーグ制を回避する潮目となった。

時は流れ、大きな転換期を迎える。日本球界のために両者が同じ方向を見つめ、歩み出す。

<球界の抱える主な課題>

◆競技人口 減少傾向が続く

◆FA制度 人的補償(協約上の名称は選手による補償)の撤廃を協議中

◆プロアマ問題 プロが高校生を指導できない

◆大リーグとの年俸格差 NPBの支配下公示選手713人の26年平均年俸は、前年比6.3%(311万円)増の5216万円で過去最高額を更新。米大リーグは534万ドル(約8億5440万円)で過去最高。

◆暑熱対策 高校野球では7回制の議論が進む

◆球団数 ソフトバンク王球団会長は現状の12球団から16球団への拡張を提案

◆ルール問題 今季から拡大ベースを導入。米大リーグで採用されるピッチクロック、ピッチコムはどうする?

◆視聴環境 放映権の高騰により今年のWBCは地上波放送なし。また、プロ野球の地上波放送も視聴率低迷などで激減。